LRTで通勤通学 開業後初の平日、ホーム混み合う 朝の時間帯滞りなく

宇都宮駅東口停留場でLRTに乗り降りする高校生や会社員ら=28日午前7時20分、宇都宮市宮みらい

 次世代型路面電車(LRT)の宇都宮芳賀ライトレール線が開業して初めての平日となった28日、宇都宮駅東口停留場は早朝、通勤や通学で利用する人たちで混み合い、ピーク時はホームの端から端まで乗客の列ができた。ただ、多くの人が「totra(トトラ)」などの交通系ICカードを持参しており、通勤・通学の時間帯に乗り降りが滞ることはなかった。

 初めての平日、同停留場では午前6時台から乗客が増え始め、同7時台後半にピークを迎えた。到着する車両には宇都宮市東部から西部の高校に通う生徒も。宇都宮文星女子高1年荒川(あらかわ)みのりさん(15)は、先週まで親に車で送ってもらっていたが、この日からLRTで通学。「静かで快適。テストがあるので教科書を読みながら乗ってきた」と笑顔を見せた。JR宇都宮駅西口からは自転車といい「西側にも延伸してほしい」と望んだ。

 乗客の中には、沿線の芳賀工業団地に研究・開発拠点を構え、9月から同駅発の通勤用バスを廃止するホンダの社員も。同市宝木本町、氏家功詞(うじいえこうじ)さん(34)は「廃止される前に慣れておこうと思った」と理由を話した。電気自動車の開発にも力を入れているホンダ。LRTの走行に興味を持つ社員も多いとの声も聞かれた。

 一方、沿線の工業団地の企業が運行する通勤用バスには変わらず長蛇の列。同市竹林町、会社員鈴木好明(すずきよしあき)さん(59)もLRTで通勤せず「しばらく様子見。通勤用バスがなくなると乗客が増え、満員で乗れなくなるのでは」と心配していた。

 運行会社の宇都宮ライトレールによると、開業2日間の土日は計約2万9千人の利用があったが現金払いの乗客が多く、ダイヤが乱れた。28日も親子連れらの利用が増えた昼過ぎから影響が出始め、午後4時時点で最大20分の遅れが発生。1枚のICカードで子どもの運賃も支払う人などが多かったため、対応に時間がかかったという。

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