●物価高の独自支援継続
●一般会計209億9036万円
富山県は4日、一般会計209億9036万円の今年度9月補正予算案を発表した。6、7月に発生した豪雨災害の復旧対応経費には131億9257万円を計上。補正予算の復旧費としては最大規模とみられる。国のエネルギー・物価高騰対策が9月末で終了することを受け、価格転嫁が困難な業種に対する県の独自支援を継続し、県民の生活や事業者の経営を下支えする。
国庫補助の対象となる河川や砂防、橋、林道、農地といった災害復旧工事には、1975(昭和50)年以降最大規模となる119億2800万円を充てた。県単独となる災害復旧では、国の補助を受けられない小規模な農業用施設の被害に対応できるよう、複数の被災箇所を同一箇所として捉えるなど対象要件を緩和する。
大雨で被災した県立学校や県民公園施設、社会福祉施設、上市カヌー競技場、国指定史跡小杉丸山遺跡などの災害復旧工事にも取り組む。土砂崩れに巻き込まれて亡くなった南砺市議の赤池伸彦さん(65)の遺族には弔慰金500万円を支給する。
原油・物価高騰対策については今年度5月補正予算で、国の地方創生臨時交付金を活用して9月までの上半期を対象に予算措置している。
依然として物価の高止まりが続いていることを受け、国の交付金が終了した後の高齢者施設や障害者施設、医療機関、畜産農家、林業事業者、私立学校などへの激変緩和措置として、10~12月の支援を継続する。全て県の一般財源から捻出し、28億8549万円を盛り込んだ。
県融資制度「ビヨンドコロナ応援資金」は、新規融資枠を500億円から600億円に拡充するとともに、保証料に対する補助金を増額し、厳しい経営状況にある中小企業の資金繰りをサポートする。
9月補正予算案は、8日開会の県議会9月定例会で提出される。今年度の一般会計は累計で6599億500万円となる見通し。新田八朗知事は会見で災害復旧について「被災者の皆さまが前向きな気持ちになれるように努める」と述べた。