「廃園の約束は守るべきで履行していないのは残念」市長も子ども園側に不信感 園児受け入れを想定し保育施設の充実を約束ー静岡・通園バス園児置き去り死事件

2022年9月、静岡県牧之原市の認定こども園で3歳の女の子が通園バスの中に置き去りにされ、死亡した事件から9月5日で1年になるのを前に、牧之原市の杉本基久雄市長は4日、亡くなった河本千奈ちゃんの自宅を弔問に訪れました。

杉本市長は弔問後、報道陣の取材に応じ、川崎幼稚園を運営する榛原学園に対して、「ご遺族と交わした廃園の約束は守るべきで、履行していないのは残念」としたうえで、行政としてできることとして、川崎幼稚園に通う園児を市や市の社会福祉事業団が運営する保育施設で受け入れられるよう、施設の充実を図っていると話しました。

杉本市長によりますと、2023年度の現状では、川崎幼稚園に通う園児すべてを市や市の社会福祉事業団が運営する保育施設で受け入れられない状況にあることから、2024年度の職員の採用数を増やすなどして、園の定員の上限を増やしていくということです。

杉本市長は「廃園の約束を履行することが千奈ちゃんへの償いだと思うが、法人は1年間なんら責任を取っていない。ご遺族と同じ気持ちを持っている」と語気を強めました。

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