コロナ、高校で拡大 泉丘163人欠席、桜丘学年閉鎖

  ●文化祭、体育祭で感染か

 石川県内の高校で新型コロナの感染が広がり、5日、泉丘では163人が欠席し、桜丘は1、2年を学年閉鎖としたことが県教委や各校への取材で分かった。1日には二水で約200人が休んだ。新学期直前に開催された各校の文化祭や体育祭で感染が拡大した可能性がある。インフルエンザの流行も目立ち、金沢西、北陵、大聖寺、金沢では多くの生徒が欠席、学年・学級閉鎖の措置を取った。県教委は各校に感染対策を呼び掛けている。

  ●インフルも流行

 泉丘高によると、始業式が行われた5日は全校生徒約1200人のうち、新型コロナで80人、発熱などの症状で33人、そのほかの体調不良で50人が欠席した。学年別では1年生72人、2年生53人、3年生38人だった。

 8月30日~9月2日に開催された文化祭やその準備で徐々に感染が広がった可能性もあるという。学級閉鎖や学年閉鎖の措置は取っていないが、岡橋勇侍校長は「今後、欠席者が増えれば検討する」とした。

 二水では1日、コロナやそのほかの病気を理由に全校生徒約1200人のうち、約200人が欠席した。感染拡大を防ぐため、1、2年を同日午後、学年閉鎖とした。現在、感染拡大はしていないという。8月26、27日に文化祭があった。

 桜丘は4日、全校生徒約1070人のうち、約200人が発熱やのどの痛みなどで欠席し、同日午後の授業を打ち切った。5、6日は1、2年を学年閉鎖、3年の3クラスを学級閉鎖とする。文化祭は8月31日、9月1日に開かれていた。

 錦丘は4日午後、欠席の目立った2年の1クラスを念のため早退させたが、5日は全学年とも通常通り授業を行った。文化祭は8月29、30日に開かれた。

 県教委によると、このほか金沢西、北陵、大聖寺の3校が学級閉鎖や学年閉鎖の措置を取った。コロナやインフルエンザの診断を受けた生徒のほか、発熱などの症状はあるが診察を受けていない生徒もいるという。3校はいずれも8月31日~9月1日にかけて文化祭や体育祭が行われた。

  ●4校で集団風邪

 県健康福祉部は5日、インフルエンザが疑われる集団風邪が県内4校で今シーズン初めて発生したと発表した。金沢西高で96人、金沢高で31人、白山市松任小17人、小松市月津小9人の計153人が発熱などの症状を訴えた。全員がインフルエンザの診断を受けてはおらず、コロナの患者も含まれる可能性がある。

 県によると、インフルエンザは例年、冬季に感染が広がり、春先に収まって秋ごろから再び増え出すが、今年は春先に収まりきらず、夏場も感染者が若干確認されていた。9月に集団風邪が確認されるのは2019年以来4年ぶり。

  ●集団免疫へ「起こり得る」/専門家が指摘

 県感染症連携協議会の谷内江昭宏会長(金大附属病院副病院長)はマスクをつけない日常が戻り、文化祭のように人が多数集まる場面では感染が起きやすいとし、「感染拡大は社会全体で集団免疫を獲得していく中で起こり得ることだ」と指摘した。

 コロナの場合、新たな変異株の確認でなければ、過剰に反応しなくてよいとし、「感染のリスクの高い場面では個人それぞれが判断し、マスク着用などの対策をとることが重要だ」と助言した。

 

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