寮生向け食事提供ストップ 教員が確保に奔走 提供元の業者「全国の約150施設のうち約30施設で “事業移管” の見通し」

広島県内の高校で、契約業者による寮生向けの食事の提供が止まっている問題で、学校では、生徒の食事の確保に今も奔走しています。一方、提供元の業者はRCCの取材に、全国で展開している約150の施設のうち約30施設で事業移管の見通しが立ったと明らかにしました。

7日午前7時すぎ、油木高校の 藤井啓二 教頭が、神石高原町の道の駅にあるコンビニで寮生22人分のサンドイッチを購入しました。

油木高校 藤井啓二 教頭
「今回のことはやむを得ず、こういうふうな対応で。(量が)足りない生徒もいると思うので、別にご飯を寮で用意しているので対応するようにと思っています」

スピーカーのアナウンス
「全員、食堂の方へ来てください」

寮の生徒たち
「おいしい、悪くない」
「運動部なのでちょっと量が少ないかな」
「いつも作ってくれた人には感謝していたので、もう1回、温かいものを食べたい」

油木高校では、寮内の調理室で契約業者のホーユーの調理員が朝と夕食を作って提供していました。しかし、4日の朝から食事の提供は止まり、教員らが食事の確保に奔走しています。

福山放送局 内田博文 記者
「今、油木高校の寮生22人分の弁当が学校内へと運び込まれました」

油木高校では打診を受けたスーパーのエブリイのグループ会社が作った弁当が昼食に配られました。

寮の生徒
「おいしいです。けっこう、おかずの種類もあってちょうどいいです」

7日の夕食は、広島市の飲食店から差し入れがあります。今後は、町内のレストランが作った弁当が提供されるということです。支援の手はほかにもあり、神石インターナショナルスクールも施設内で4日間、夕食を提供するということです。

一方、ホーユーはRCCの取材に対し、給食や食堂の事業をしている全国の約150施設のうち約30施設について、「事業移管」の見通しが立ったと明らかにしました。

対象となるのは、関西地方の約20施設と山口県内の約10施設で、仙台市に本社を置く業者がそれぞれの施設と新規に契約を結んだうえで事業を引き継ぎます。残りの約120施設については、こうした交渉を行っていないということです。

また、県教委は寮生への食事が提供されなくなった県立三次高校などが、ホーユーに対し、契約解除を通知したことを明らかにしました。県教委は今後、速やかに食事の提供が再開できるよう、新たな業者の選定に向けた準備を進めるとしています。

ホーユーの 山浦芳樹 社長はRCCの取材に、「事業移管できる施設もあるが、わたしの力不足で全てを守り切れない。ご迷惑をおかけして、たいへん申し訳ない」と謝罪したうえで、「食材費や光熱費の高騰を価格転嫁しづらい構造を変えないと、この業界自体が破綻すると思う」とも話していました。

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