宮城のNPO法人にコンサート収益金手渡す 滋賀・高島のクラシックギター演奏家

豊かな森と海づくりに取り組む畠山さん(右)にチャリティコンサートの収益金を手渡す谷本さん(気仙沼市内)=谷本さん提供

 東日本大震災をきっかけにチャリティーコンサートを続けている滋賀県高島市在住のクラシックギター演奏家谷本正夫さん(75)がこのほど宮城県気仙沼市を訪れ、海と森の環境保護に取り組む団体に収益金を寄贈した。

 谷本さんは震災の2カ月後から滋賀や京都、福井や奈良などでチャリティーコンサートを開催。当初は行政窓口を通じて収益金を寄贈していたが、2017年以降は気仙沼市に拠点を置くNPO法人「森は海の恋人」に届けている。

 同法人は、豊かな森から運ばれるプランクトンなどの栄養が豊かな海をつくる、との視点で広葉樹林を広げる活動に取り組んでいる。谷本さんは同法人の代表を務めるカキ養殖家の畠山重篤さんと縁があり、寄付を続けている。

 谷本さんは寄付に際して例年現地を訪れており、今回も気仙沼市を訪問。今年2月から6月までに開催したコンサートの収益金9万4200円を畠山さんに手渡し、森づくりの取り組みなどについて話を聞いたという。

 谷本さんによると、津波の影響で一時は壊滅的な打撃を受けた気仙沼のカキ養殖は復活しているという。だが「現地にうかがうと、復興はまだまだ道半ばなことが分かる。私も息長く活動していきたい」と話す。

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