下野新聞社杯第54回県学童軟式野球大会(県野球連盟、下野新聞社主催)最終日は10日、栃木市大平町のエイジェックさくら球場で決勝を行い、宇都宮ウエストキッズ(宇都宮)が簗瀬スポーツ(同)を13-6と下し初優勝を果たした。
試合は強打が持ち味の両チームだけに序盤から乱打戦の展開。初回に簗瀬スポーツが5連打で3点を先制すると、二回に宇都宮ウエストキッズが6安打を集中させて6点を奪うなど点の取り合いに。最後まで攻撃の手を緩めなかった宇都宮ウエストキッズに軍配が上がった。
宇都宮勢の優勝は第46回大会を制した宝木ファイターズ以来8年ぶり20回目となる。
打ち勝つ野球で雪辱 宇都宮ウエスト
夏の終わりを感じさせる西日が宇都宮ウエストキッズナインの笑顔を照らした。昨年は準決勝でサヨナラ負け。その悔しさを知るメンバーが多く残り「今年こそ」の思いを胸に秘め成長、見事その雪辱を果たした。
試合は6-6の同点で迎えた三回、無死二塁から7番渡辺哉汰(わたなべかなた)の適時2塁打で勝ち越し。その後も攻撃の手を緩めず13-6と突き放した。「打ち勝つのがウエストキッズの野球」と青柳俊一(あおやぎとしかず)監督もしてやったりの表情だ。今大会7試合で奪ったのは計77得点。1試合平均11点の驚異的な打力で栄冠をもぎ取った。
ただ今大会までの道のりは簡単なものではなかった。5月の全日本学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント宇都宮市予選、6月の県予選共に、準決勝で簗瀬スポーツに敗れ悔し涙をのんだ。
その無念を晴らす最後の舞台がこの大会だった。石川維人(いしかわゆいと)主将は「倒さなきゃいけない相手だった」と、この試合に並々ならぬ思いで臨んだことを明かした。
「三度目の正直」で因縁の相手を倒し、君島壮祐(きみじまそうすけ)と角田駿斗(つのだはやと)は「簗瀬に勝ててよかった」と笑顔を見せた。長い夏を勝利で終えた宇都宮ウエストキッズ。最高の思い出を詰め込んだ栄光の金メダルが胸で輝いていた。