井波の六角堂が再生 年内にもスポーツバーに

六角堂で改装工事を進める加藤さん(左から2人目)や堀尾さん(同4人目)ら関係者=南砺市本町

  ●昭和初期の木造建築、20年超空き家

 昭和初期の木造建築で、六角形の外観で知られる南砺市井波地域の「六角堂(ろっかくどう)」が年内にも「スポーツバー」に生まれ変わる。井波小、中を卒業した若者でつくる合同会社が毎週末、日曜大工で建設を進めている。同地域で近年、県外からの移住者がクラフトビールやパン店などを相次いで開業している姿に触発された。若者が気軽に飲食できる店を目指し、にぎわい創出につなげる。

  ●同級生8人が日曜大工/頑張る移住者に触発され 

 スポーツバーを計画しているのは会社員加藤博之さん(45)、会社役員堀尾日出海(ひでみ)さん(45)ら井波小、井波中の同級生8人。6月に合同会社「六角堂BUZZ」を設立した。加藤さんと堀尾さんが代表社員を務める。建物を購入し、土地を借りて運営する。

 六角堂は木造2階建て、延べ床面積276平方メートルで、かつては化粧品店として使われていた。井波彫刻師の工房が並ぶ瑞泉寺門前の入り口に位置する。近くにある交差点の名称が「六角堂」となっているほど特徴的な「地域の名建築」だが、20年以上、空き家となっていた。

 加藤さんらは市の空き家・空き店舗利用促進事業補助金を活用し、週末にメンバーが集まって、電気や水回りの工事以外は自分たちで改装に汗をかいている。1階を店舗とし、カウンターやテーブルを設置して、夜間も営業する店とする。

  ●バーベキュー可能

 店内には大型画面を設置し、ワールドカップや五輪など大きなスポーツイベントがある時は、試合を観戦しながら地元のクラフトビールや地酒、ノンアルコール飲料などを提供する。料理は客が自ら肉や野菜を焼いて食べる方式で、中庭でバーベキューもできる。地元の閑乗寺公園キャンプ場と連携し、バーベキュー用の商品も販売する。

 数年前に加藤さんらが同窓会を開いた際、「休日に仲間が集まれる飲食店があればいい」との声が上がり、共同で店を運営する案が持ち上がった。

 加藤さんは「県外からの移住者が井波で頑張っている。地元出身者も井波の表玄関で店を開業し、活性化に貢献したい」と意欲を示した。堀尾さんは「みんなで話し合い、雰囲気のいい店にしたい」と話した。

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