プロ野球はなぜ2軍の球団を拡大させるのか？そして、なぜ静岡が“新球団”に選ばれたのか？専門家に聞きました。
プロ野球に詳しいスポーツライターの生島淳さんは、今回、新たに2軍球団が誕生する理由について「野球界の裾野拡大の狙いがあるのでは」と話します。
（スポーツライター 生島 淳さん）
「基本的には裾野の拡大。1990年代から比べ、社会人チームが減って、クラブチームが増えている。高校、大学を出て、野球を続けられる環境は徐々に減少してきた。プロ野球機構として裾野の拡大を図っていこうというのが大きな理由」
また、新規参入球団の創設に「静岡」や「新潟」など地方都市が選ばれたことについては…
（スポーツライター 生島 淳さん）
「日本のプロ野球の歴史を振り返ると、大都市圏で繁栄してきた。静岡市や新潟市のように70万～80万人の規模の都市だと、これまでフランチャイズを持つということは難しかった。そうした規模の都市にフランチャイズが置けるビジネスモデルを作っていきたい意図を感じる」
その中で静岡の「ハヤテ223」が選ばれたのは、長年にわたる熱意が実った結果だと話します。
（スポーツライター 生島 淳さん）
「静岡はファーム（2軍）組織を増やす公募の段階で、早くからアプローチをしていたと聞いている。静岡の熱意が認められたというのは非常に大きい。そして、東西を結ぶ地理的な要因も非常に大きい、東京と交通の便もいい、大阪にも遠征しやすい立地の条件も大きかった」
その上で生島さんは、「ハヤテ223」の成功が、今後の野球界の発展につながるのではと期待します。
（スポーツライター 生島 淳さん）
「サッカーやバスケットボールに比べて、プロ野球は参入障壁が非常に高い業界だった。長い間12球団という歴史で、日本の野球の歴史は紡がれてきた。新たに静岡がファーム（2軍）で参入することは、新しい野球のかたちが見られる可能性がある。成功事例を作って、日本の野球にポジティブな影響を与えてほしいと期待している」
