傘鉾(かさぼこ)とは

 長崎市歴史民俗資料館の学芸員、永松実さんによると、傘鉾は踊町の町しるしの役割を果たしている傘状の鉾。傘の上部の飾(だし)は、各町の特徴を形づける作りになっている。飾は重いものも多く、バランスをとるため、担ぎ手が持つ芯棒の下に数千枚の一文銭が結び付けてある。担ぎ手は、市内6地区(川平、岩屋、三川、柳谷、田手原、本河内)で構成される「長崎傘鉾組合」が踊町の依頼を受けて出演。持ち方にも特徴があり、組によって垂直に持ったり、斜めに持ったりする。神の依り代(よりしろ)として諏訪の神様に乗り移ってもらうという役割もある。

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