<こちさが>佐賀市立図書館の窓ガラス、何が剝がれてる?

窓ガラスの遮熱フィルムが剝がれかかった佐賀市立図書館=佐賀市天神

 佐賀市立図書館の東側の窓ガラスについて「何か剝がれているようだけど…」という連絡が佐賀新聞「こちら さがS編集局」(こちさが)にあった。確かにフィルムのようなものが剝がれかかっていたり、既に剝がれた跡とみられる箇所も多い。あれは何なのか。

 同館などによると、窓ガラスの外側に張った遮熱フィルムという。2011年3月に実施した省エネ改修工事で、館内の熱効率を高めるために施工されたものとみられる。約100枚の窓ガラスのうち、既に大部分が剝がれ落ちたようだ。

 本年度に着任した古田一陽館長は「剝がれてきたのはここ数年と聞いている。市民や利用者から苦情は聞いていないが、台風の後などに周辺に剝がれ落ちていれば、すぐに片付けるよう気を付けている」と説明する。周辺に飛散する前に全て剝がそうにも、高い位置に張ってあるため「職員だけでは難しい」という。

 日本ウインドウ・フィルム工業会の鳥養崇事務局長によると、遮熱フィルムの中でも太陽光を反射する「金属蒸着膜」を張った製品は、紫外線などにより同様の劣化が起こる。日の当たりやすいガラスの外側の場合、耐用年数は「5年ちょっとくらい」。施工業者に依頼すればきれいに剝がせるという。

 市立図書館は1996年に開館。30周年となる2026年度に大規模改修工事を実施予定で、古田館長は「老朽化に伴う改修がベースだが、市民の意見も踏まえ方向性を検討する。今回の件も大規模改修の中で何らかの手を打つ」と話す。(志垣直哉)

窓ガラスの遮熱フィルムが剝がれかかった佐賀市立図書館=佐賀市天神

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