氏名・生年月日・住所・成績・・・ 進路や保護者の名前まで 高校で卒業生1万人分の個人情報紛失

広島県教委は、府中市にある県立高校で、卒業した生徒の氏名・生年月日・住所、それに成績などが記録された「生徒指導要録」、およそ1万人分を紛失したと発表しました。

広島県教育委員会は13日、会見を開き、府中市にある県立府中高校で1984年度から2011年度までの全日制と、1989年度以降の定時制の卒業生、合わせて1万14人分の「生徒指導要録」の紛失が判明したと発表しました。

指導要録には、生徒の氏名・生年月日・性別・住所・保護者などの氏名と住所・進学先や就職先、それに各教科や科目の修得単位数と学習の記録(成績)などの項目があるということです。

紛失の経緯については、9月28日に事務職員が別の用で金庫を開けたところ、保存してあるはずの指導要録がないことに気づいて発覚、その後、校内の捜索や関係者の聞き取りをしているものの、発見には至っていないということです。

通常、指導要録は2つの金庫で保管されていて、その金庫の鍵は事務長の管理の下、別の金庫で保管され、出し入れの記録を残すなど厳重に扱われているとのことで、おととし11月には保存されていることが確認されています。

府中高校では、2021年度から昨年度にかけて改修工事が実施されています。その際、金庫と中のものは別の場所にいったん移動し、その後、さらに事務倉庫に移動したということで、県教委は、この工程で処分するほかの書類と混同して誤って廃棄された可能性もあるとしています。紛失した書類は約2万枚分で、段ボール10箱分になるそうです。

一方で、盗難の可能性もあるとして、13日時点では、学校長が警察に相談しているとのことです。現時点で個人情報が悪用されたという報告はないということです。

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