季節外れの桜ちらほら 秋風に揺れるソメイヨシノ「返り咲き」

木全体に花をつけた向陽小のソメイヨシノ(向日市向日町)

 京都府向日市向日町の向陽小で、中庭のソメイヨシノが季節外れの花を咲かせている。小さなピンクの花が木全体にちらほらつき、秋風に揺れている。

 秋に桜が咲く現象は「返り咲き」と呼ばれる。府立植物園によると、桜は夏に翌年の花芽を作るが、葉が開花を抑制するホルモンを出す。強風などで早くに葉が落ちた場合は、秋の温かな日に花が咲きやすいという。

 中庭のソメイヨシノは今秋、毛虫の大量発生で、葉がほとんどなくなったという。木全体で返り咲きをするのは珍しく、地域の話題になっている。

 同植物園の樹木医、中井貞さんによると、園内の山桜1本も同様の状況といい「毛虫の発生は、今夏の異常な暑さと少雨の影響があるのでは」と推測している。

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