「ものづくりの土台」高岡の象徴 鳳凰キャラお披露目

鳳凰にちなんだキャラクター、青色の「鳳」と赤色の「凰」のイラストが大きく描かれた会場。キャラをあしらったバッグも公開された=高岡市の御旅屋セリオ

  ●御旅屋セリオでnifuni展 地元コラボのバッグも

、高岡市の御旅屋セリオで開幕した「nifuni展」(富山新聞社などでつくる実行委主催)では、高岡ゆかりの鳳凰(ほうおう)を擬人化したnifuniさんのオリジナルキャラクターがお披露目された。地元繊維企業との連携で製作したキャラグッズも公開され、高岡の「ものづくり」と「漫画」の魅力を伝えた。

 シリーズ累計300万部の人気漫画「左ききのエレン」で作画を担当したnifuniさんは国立高岡短大(現富大芸術文化学部)で金属工芸を学んだ後、ジュエリーデザイナーとして勤務し、30歳の時に、集英社の漫画アプリ「少年ジャンプ+」に連載された同作品でデビューした。

 今回、自身の「ものづくりの土台」となった高岡を象徴する存在として鳳凰に着目し、双子をイメージしたキャラクター、「鳳(ほう)」と「凰(おう)」を考案した。

 鳳凰はめでたいことの前兆として現れるとされ、高岡という地名は中国の古典の一節「鳳凰鳴けり、かの高き岡に」にちなむ。高岡の町を開いた加賀藩前田家2代の前田利長にちなみ、キャラの頬に前田家の梅鉢紋を施した。

 青色の「鳳」は好奇心旺盛で負けず嫌い、赤色の「凰」はおおらかで細かいことは気にしない性格と設定。主婦中島直子さん(35)=高岡市=は会場でキャラを目にし「高岡を盛り上げてくれる存在になりそう」と期待を込めた。

 個展に合わせ、nifuniさんは高岡市戸出栄町のニット製造業「エフアイニット」と連携し、「鳳」と「凰」をデザインしたショルダーバッグを製作。会場で初公開した。

 nifuniさんは、優れたニット技術で色のグラデーションを表現したことや、刺繍(ししゅう)で梅鉢紋や文字を施す細かな工夫を来場者に説明した。

 バッグなどのグッズは会期中、土曜午後1~6時に会場で販売する。

  ●作業現場そのまま

 会場では「左ききのエレン」第1話の原画や下絵を集めたファイルなどを紹介。漫画制作の舞台裏に興味を持ってもらおうと道具やラフ画を並べ、作業現場をそのまま持ってきたような展示に仕上げた。

 展示を楽しんだ会社員山下憲一さん(48)=射水市=は「キャラクターの表情が豊かで一人一人が魅力的」、会社員金森陽子さん(46)=高岡市=は「イラストが大きく鮮やかに展示され、仕事の細かさが伝わってくる」と語った。

 学生時代を過ごし、現在の居住地である高岡での個展について、nifuniさんは「展示を通し、高岡での新しい出会いに期待したい」と話した。

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