米沢の新病院、外来診療始まる 地域の医療拠点、本格始動

市立病院と三友堂病院が一体的に整備し、外来診療が始まった新病院=米沢市

 米沢市の相生町にある市立病院と、福田町2丁目にある三友堂病院が、一体的に整備を進めた新病院は6日、両病院で外来診療を開始した。新病院の建物は隣接し、調剤薬局や研修室を備えた両病院共有のアメニティセンターで連結しており、地域の新たな医療拠点が本格的に始動した。

 市立病院では午前8時の外来受付スタートと同時に受診者が訪れた。総合受付では職員を増やし、患者の案内に当たった。検査に訪れた南陽市の男性(63)は「新病院は置賜の住民として心強い。両病院の連携を密にして地域住民が受診しやすい環境を整えてほしい」と話した。90代の母親の診察に付き添った米沢市の男性(64)は「市内の病院の救急の輪番制がなくなり、市立病院の救急がいっぱいになったらどうするのかと不安はある。研修病院として、医療人材を育ててほしい」と要望した。

 新病院の診療科は市立がこれまでと同じ31、三友堂が10減の13。両病院は役割分担を明確にし、市立が手術や救急などの急性期医療、三友堂がリハビリや在宅復帰に向けた回復期医療を担う。地域医療連携推進法人よねざわヘルスケアネットとして、医療機器の共同利用や人事交流などを通し、経営の効率化、医療の質の向上を目指す。

 市内の3病院による輪番制だった救急搬送の受け入れは2日から、市立病院に集約された。現在、同市のすこやかセンター隣にある平日夜間・休日診療所は12月1日から、市立の救急外来の一角に移り、市医師会が診察を担当する。

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