女性議員増も道半ば 多様性乏しく偏る視点 有権者、現状に警鐘

地元を回り、暮らしや育児について市民の話を聞く森島市議=10月下旬、矢板市内

 4月の統一地方選では全国的に女性候補の当選が際立ったものの、まだまだ少数だ。下野新聞社が実施した新人議員アンケートでは、回答者の約6割が、議会の男女比率は同数に近い方がいいと回答。一方で「数合わせはすべきでない」との声も根強い。男性が多数を占め多様性に乏しい議会の現状に、有識者は警鐘を鳴らす。

 「なぜ思いやり駐車スペースに屋根がないのか」。石川敦子(いしかわあつこ)小山市議(44)は以前から市役所を訪れるたび、疑問を抱いていた。

 3人の育児や高齢者向け配食事業に携わる経験から、雨の日ほどベビーカーや車いすの乗降が大変なことを身をもって知っていた。先輩の男性議員に尋ねると「その視点はなかった。設計段階で考えるべきだった」と驚かれ、6月議会一般質問で執行部から設置検討の答弁を引き出した。

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