豪雨被害復旧へ、のり面補強進む 米沢の国道121号

のり面を補強する作業が進む国道121号の復旧工事現場=米沢市入田沢

 昨年8月の豪雨で道路が崩落し、約80日間にわたり全面通行止めとなった米沢市入田沢の国道121号の復旧工事現場が8日、報道陣に公開された。現在、道路管理者の県が、鬼面川沿いののり面を補強する作業を進めており、2025年度中の本復旧完了を予定している。

 国道121号は米沢市と福島県喜多方市を結ぶ幹線道路。昨夏の豪雨で、鬼面川に侵食されるなどして道路のり面が幅約90メートル、高さ25メートルにわたって崩落した。応急復旧で仮橋を設けて片側交互通行にした上で、本年度から本復旧に向けた工事が進んでいる。

 この日は、約30人の作業員が斜面を安定させるため、のり面にモルタルを吹き付けたり、鋼材を打ち込んだりする作業に取り組んだ。斜度45度程度の急斜面のため、重機を遠隔操作して整地作業を進めたという。

 のり面の補強は本年度中に終え、破砕帯と呼ばれる弱い地盤を避け、1車線ずつ橋を架ける工事に入る。総事業費は約12億円。県置賜総合支庁道路計画課の渡部高久道路管理主幹は「一日でも早く安心して利用できる道路になるよう工事を進めていく」と話した。

© 株式会社山形新聞社