50万ボルト送電線を新設工事 東北電力ネットワーク、酒田に高さ95メートル鉄塔

出羽幹線新設工事で高さ約95メートルの鉄塔を組み立てる様子が公開された=酒田市

 東北電力ネットワークは8日、河辺変電所(秋田市)と八幡変電所(酒田市)を結ぶ50万ボルト送電線「出羽幹線」(96.4キロメートル)の新設工事現場を公開した。酒田市新出の山中で、高さ約95メートルの鉄塔を組み立てており、1基1カ月程度かけ整備するという。計232基設け、2031年11月の使用開始を目指している。

 同社によると、青森、岩手、秋田の3県と宮城県の一部エリアでは風力など再生可能エネルギーによる計390万キロワット規模の発電事業計画が進められている。電源を電力系統に連系するため、22年6月から整備が進んでおり、50万ボルトは同社管内の最高電圧という。

 公開された現場では、作業員がクレーンでパーツをつり上げて組み立てていた。鉄塔の高さは山間部や平野部で異なり、平均で80メートル程度。落雷対策も施しているという。

 同社の佐藤正光送変電建設センター酒田工事所長は、「再生可能エネルギーの大容量輸送、電力の安定供給が確保できるようになる。新技術を取り入れながらコスト削減に努めたい」と話した。

出羽幹線新設工事で高さ約95メートルの鉄塔を組み立てる様子が公開された=酒田市

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