西大村小 創立150周年 世代超えた“シンボル”活用で地域盛り上げ

式典で記念撮影する児童ら=大村市立西大村小

 長崎県大村市乾馬場町の同市立西大村小(都外川潔校長、676人)は今年、創立150周年を迎えた。同校のシンボルであるクスノキを題材に、児童や保護者らがオリジナルのマークや絵本を制作するなど、学校や地域を挙げて節目を盛り上げている。
 同校は1873(明治6)年、古町に「池田小学校」として開校。3年後、現在地に移った。校庭にそびえるクスノキは大正天皇の即位を記念して植えられ、世代を超えて子どもたちに親しまれてきた。
 同校は150周年を祝うシンボルマークのアイデアを全校児童に募集。203点の応募の中から、校章をかたどった複数の手をクスノキが包み込むようなデザインで、5年の加藤さくらさんが考案したマークが選ばれた。マークが描かれたタオルやトートバッグを製作し、地域住民やOBらに販売。得た資金は記念事業の経費に充てた。
 「くすのきさん」と題したオリジナルの絵本も完成した。同校の児童がある日クスノキの声が聞こえることに気づき、木と心を通わせるというストーリー。同校の読み聞かせボランティア「くすくす」のメンバーが中心となり文章を練り上げたという。絵本は今後、全家庭に配布される。
 同校で14日、記念式典があった。各学級が交代で日めくりしてきたお手製のカウントダウンボードが「あと0日」に。「くすくす」が出来上がった絵本を朗読し、6年生がソーラン節を勇壮に舞って節目を祝うと、大きな拍手が送られた。
 6年の永吉泰博君は「サッカーの練習の時、クスノキの木陰が心地よくエネルギーをくれる。節目で最高学年を迎えてうれしい」、同年の西平早季花さんは「登下校で通る諏訪商店街では地域の人たちが温かい言葉をかけてくれる。西大村にいてよかった」と話した。

シンボルのクスノキの前で完成したシンボルマークと絵本を手にする児童=大村市立西大村小

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