大麻グミの成分=HHCHが指定薬物に 大麻成分に似せた“合成化合物”の危険性 未知の症状が現れる?

(柳沢彩美アナウンサー)
HHCHを含むクッキーやグミなどが、取材した店では販売停止になったということですが、HHCHというのは一体どんなものなのか確認しておきます。

(斉藤初音アナウンサー)
まず大麻に含まれる主な成分としてTHCとCBDというものがあります。

CBDはリラックス効果などがあるということで、医療分野での活用が国会で審議中です。

一方でTHCは違法で、幻覚作用などがあるということで所持使用などは法律で禁じられています。

今回、問題となっているHHCHは、THCに似せて作られた合成化合物のことです。

HHCHは、これまで規制対象にはなっていませんでしたが、11月22日に指定薬物に指定され、12月2日から所持使用などが禁止されます。

それでは指定薬物というのは、どういうものなのかを見ておきましょう。

厚生労働省が指定する指定薬物とは、医療などの用途以外の目的での製造・輸入・販売・所持・使用が禁止されている薬物のことです。

現時点での指定数はHHCHが加わって2432種類です。

このHHCHと同じような、大麻成分THC似た合成化合物というのは、ことしに入ってからだけでも指定が相次いでいます。

規制しても次々に似た物質が作られるというイタチごっこになっている状況なんです。

(柳沢アナウンサー)
こうした合成化合物に手を出さないためにも、危険性というのを理解しないといけないですね。

(大石邦彦アンカーマン)
そうなんです、取材すればするほど、一度手を出してしまったら、いかに危険かということがわかってきました。

大麻に似せた成分の影響なんですが、そもそも大麻に含まれるTHCという成分は中枢神経系に影響を与えるんです。

例えば「知覚の変化」=時間・空間の感覚が歪んだり、「学習能力の低下」=短期的な記憶力が落ちてしまったり、「運動失調」=瞬時の反応が遅れてしまったり、「精神障害」=うつ病を発症しやすくなったり、「IQが低下」したりするそうなんです。

では、大麻の有害成分に似せた合成化合物だと、どんな影響があるかというと、THCと同じような症状か、それよりも強い症状が出るかもしれない。

加えて、未知の症状が現れるかもしれないということなんです。

未知というのが怖いところなんですが、規制にかからないように次々と類似物質が出てくることが危険なんですね。

そのあたりを化学の分野に詳しい名古屋工業大学の齋藤勝裕名誉教授に伺ってみると、薬というのは動物や人間での治験を繰り返して安全性を確認しているわけです。

しかし、この合成化合物は安全性の確認ができないので極めて危険だということなんです。

先生の言葉を借りれば、人体実験をしているようなものだということです。

そこで、今回の大石の視点はこちら。

そもそも大麻というのは薬物依存への入口、ゲートウェイドラッグと言われています。

しかし、今回の大麻グミとか大麻クッキーというのは、その大麻の入口、ゲートウェイドラッグのゲートウェイと言ってもいいんじゃないかということなんですね。

その一番最初の扉を開けてしまったら、それは人間破滅の道に進むことになるかもしれません。

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