がん、体験談通して知る 本社主催「勉強会」支援の在り方意見交換

がん患者の悩みや支援の在り方などについて意見を交わす(右から)武田健司さん、奥山慎一郎院長、佐藤孝弘市長=山形市・山形国際交流プラザ

 がん患者への支援や、がんになっても安心して暮らせる社会の在り方を考える「がんを知る勉強会~がんになっても『自分らしく』生きる」(山形新聞社主催)が26日、山形市の山形国際交流プラザで開かれ、がん経験者による体験談などを通じて約90人の聴講者が理解を深めた。

 2020年に健康診断で肺にがんが見つかり、手術後に職場復帰している山形市の武田健司さん(68)と、訪問診療クリニックやまがた(同市)の奥山慎一郎院長、佐藤孝弘山形市長がパネルディスカッションを行った。武田さんは「自分は、がんとは関係ないと思っていた」とがん発見時の率直な思いを明かした。勤務先の「西村工場」(同市)では闘病する人が交流するサロンを開いており、「経験者同士、仲間同士で話し合うことで、さまざまな不安が和らいだ」と語った。

 奥山院長は、がん患者が自分らしく生きられるように本人の選択肢を増やすことが必要だとし「病院などに相談して正しい情報を得て、選択してほしい」と述べた。佐藤市長は、患者の日常生活の質や健診受診率の向上を目指す市の取り組みを示した上で「健康に対する市民の意識と知識を高めること」の重要性を強調した。

 県医師会と山形市が後援。落語家の春風亭昇りんさん(中山町出身)による落語や、アフラック生命保険によるがん関連のパネル展示も行われた。

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