岩手県にスキーシーズンが到来した。北上市和賀町の夏油高原スキー場(村松麻人支配人)は26日、県内トップを切って営業を開始。スキーヤーやスノーボーダーが雪の感触を楽しんだ。今夏の猛暑から一転、まとまった降雪で昨年より約2週間早い滑り始めとなり、他のスキー場も受け入れ準備を進める。新型コロナウイルス感染症の5類移行後に初めて迎えるシーズンで、関係者は国内外から客の取り込みを図る。
1993年の営業開始から30周年の節目。インバウンド(訪日客)らの需要を分析してICゲート(自動改札)を導入し、酒類を提供する「カフェ&パブ」も開設する。村松支配人(34)は「台湾やオーストラリアを中心に増えており、多彩なアプローチが必要。昨季を超える来場10万人を目指す」と見据える。
県の観光統計によると、本県のスキー客入り込み数は92年の372万人をピークに減少傾向が続く。訪日客は伸びていたが、コロナ禍で一気に落ち込んだ。今季は5類移行で行動制限などがなくなり、各スキー場は巻き返しを期す。