展示会業界が回復、人手不足を懸念

香港は常に展示会の都であり、主催者と設営業者はそれぞれ展示会の準備と実施を担い、新型コロナ流行前の運営状況は理想的だった。だが3年間の新型コロナ流行中、世界中で出入国規制が行われ、香港では社交距離が制限され、展示会開催は影響を受けた。11月26日付香港各紙によると、ある展示会主催企業の担当者は、今年の展示会の規模は新型コロナ流行前の70~80%まで戻り、すでに若干の利益が出ていると語った。また設営業者の担当者もビジネスは新型コロナ流行前の60~70%までに戻ったと述べているが、完全に回復するのは2025年になると予想している。彼らはいずれも人手不足が展示会業界の回復を遅らせる可能性があると考えており、政府に対し域外労働者の輸入を検討するよう求めている。

展示会を主催する匯衆展覧服務有限公司の常務取締役、湯錦成氏は、同社が主に毎年6月に湾仔の香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターで「香港国際旅遊展」を主催しており、収益の大半は出展料であり、チケット収入はごく一部に過ぎないと説明。今年の展示会は若干の黒字で、規模は新型コロナ流行前の70~80%まで戻り、出展者数は500社、うち海外出展者が90%、内外のバイヤーやプロの来場者も約20%を占めたという。

湯氏は、2020年1月に新型コロナが流行し始め、同社は警戒して展示会を7月に延期したが、新型コロナがさらに深刻化した後、7月初旬に中止を発表することを決定したと回想した。この時点で経費の9割近くが支出されていたため、同社は返金がなければ支払った金額の8割を次回の展示会の補助金に充てることを出展者に提案し、9割以上の出展者が承諾した。その計画は実行され、その時点で危機は克服された。翌年にはリニューアルされたものの、規模は以前ほどではなかった。

現在直面している課題について、新型コロナ流行以前は出展者に招待通知を送付するだけで支持が得られたが、現在は1社の参加を取り付けるには25 社の出展者候補に接触する必要があり、宣伝コストが大幅に増加しているという。また、新型コロナ流行中、多くの外資系旅行会社が中国本土や香港のオフィスを閉鎖し、多くの旅行代理店やホテルが閉鎖され、営業を続けているところも予算を考慮する必要があり、以前よりも出展料を負担できる出展者が減少した。湯氏はまた、展示会業界が人手不足に直面し、設営労働者の賃金が急上昇し、主催者の経費が増加していることにも言及し、政府に対し業界への域外労働者の導入を検討するよう求めた。

特区政府商務及経済発展局はコンベンション展示会産業の回復を支援するため、2020年10月から「防疫基金」に基づく「コンベンション・展示会産業補助金制度」を実施。今年8月末現在、このプログラムは304件の会議や展示会に総額約10億4000万ドルを割り当て、73件の展示会の民間主催者に総額約4100万ドルの即時支援を提供している。さらに政府は今年7月1日、今後3年間で200以上の展示会に報奨金を与えることを目標に、14億ドルの定期展示会奨励金制度を開始した。8月末現在、この制度により4つの定期展示会に対して総額約233万ドルの奨励金が授与されている。

© HKP