来春で敦賀止まり…サンダーバードとしらさぎで行く福井旅行が人気 県など企画、特に鉄道遺産旅がファン魅了

建設当時の姿を残すものとしては国内最古の小刀根トンネルを見学するツアー客=11月14日、福井県敦賀市刀根

 来春の北陸新幹線敦賀開業に合わせ、敦賀―金沢・和倉温泉間の運転が終了する特急サンダーバードか特急しらさぎで福井に来県し観光スポットを巡る企画旅行プラン「ありがとう サンダーバード号&しらさぎ号」が人気を集めている。中でも敦賀市を中心とした鉄道遺産が楽しめる“鉄旅”はファンを魅了している。

 企画旅行プランは福井県とJR西日本、日本旅行のタイアップによるもの。関西・中部発着で、11月1日~来年3月15日帰着までの間で設定されている。敦賀市を中心とした「大型バスでは行けない旧国鉄北陸本線跡地を旧国鉄職員とめぐるSLバスの旅」は4回催行する。

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 初回の11月14日は関西方面から定員いっぱいの15人が参加し、旧国鉄職員の中村昭三さん(74)=同県南越前町=がガイドを務めた。JR敦賀駅では、敦賀地域鉄道部が保管する寝台列車「つるぎ」(1996年廃止)や「日本海」(2012年廃止)、「トワイライトエクスプレス」(15年廃止)のヘッドマークを特別に見学。1881年に完成し、建設当時の姿を残すものとしては国内最古の小刀根トンネルでは、れんがの積み方などの説明に聞き入り、往時に思いをはせた。参加者は熱心に質問したり、写真や動画を撮影したりして楽しんでいた。兵庫県宝塚市から夫婦で参加した男性(79)は「SLが走っていた子どもの頃を思い出した」と感慨深げだった。

 旅行プランには福井市の国名勝・養浩館庭園や永平寺町の大本山永平寺を巡り、えちぜん鉄道の貸し切り列車内で地酒を楽しむツアーなどもある。

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