もう5日

 朝は寝床がいつまでも恋しく、帰り道は肩をすぼめて歩く-そんなここ数日だから実感はやや乏しいが、今年は春、夏、秋と3季続けて平均気温が観測史上最高になったのだという▲気象庁の解説によると〈寒気の南下が妨げられ、暖かい空気に覆われる日が多かった〉のが2023年の秋だったらしい。研究者の「春と秋は短くなり、季節が夏と冬の二つのようになっている」との言葉に深くうなずく▲日本列島の西側に高気圧が張り出し、東に低気圧が位置する「西高東低」は冬の天気を指す決まり文句だが、この冬は「冬型」になりにくい、との予測も目にした▲厳しい冷え込みはあまり長続きしないそうで“夏は暑がりなのに冬は寒がり”のわがままな身にはありがたい。とはいえ「寒暖差には注意が必要」とただし書きもあるから体調管理には気をつけたい。先月末には県内に今季1号の「インフルエンザ警報」が早々と発令された▲事故や戦闘の寒々とした話題が続く。自民党の政治資金パーティー問題は複数の派閥に広がり、昨日はマンモス私大の名門運動部を巡って、会見で厳しい追及の声が相次いだ。関係者はさぞ風が冷たかろう▲そうこうするうち師走も早5日…と書いたら、ただでさえ気忙(きぜわ)しいのだから無駄にあおるな、と叱られるだろうか。(智)

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