タイヤ早め “冬支度” を JAF栃木支部など呼びかけ 寒波前の交換、摩耗にも注意

スタッドレスタイヤへの交換を進める従業員。ピーク時は1日80台ほどが入庫する=11月末、宇都宮市末広2丁目

 冬本番へと向かう中、カーショップや日本自動車連盟(JAF)栃木支部などは、冬用タイヤへの早めの交換を呼びかけている。今年は晩秋まで続いた暑さや物価高の影響で、冬用タイヤの売れ始めは後ろ倒しに。今後はさらに気温が下がり、橋や日陰で起こる路面凍結や降雪に注意が必要となる。寒波や雪の予報が出てからではショップに客が殺到し、対応が間に合わないケースもあり得る。自分で交換する場合はタイヤの摩耗状況などの確認も重要で、早めの“冬支度”を促している。

 店内外の一角に冬用タイヤが並ぶ。11月末、宇都宮市末広2丁目のカー用品店「イエローハット宇都宮南店」。阿部智英(あべとしひで)店長(46)は「一気にお客さんの動きが出てきた」と感触を話した。

 今年は11月に入っても例年を超える暑さが続いた。物価高の影響で、タイヤも昨年に比べ1割程度、値上がりしているという。10月は例年より冬用タイヤが売れず、11月下旬ごろから購入客が増え始めた。

 店内のピットでは、数人のスタッフが手際よくタイヤを交換。この日は50台近くが冬用タイヤに交換した。阿部店長は「例年、雪の予報が出ると予約の電話が殺到し、対応できなくなってしまう」と説明。早めの交換を呼びかける。

 事故防止のため、業界団体は冬用タイヤの有効性を強調する。日本自動車タイヤ協会(東京)によると、積雪・凍結した道路では、車がブレーキをかけてから止まるまでの制動距離が、指数比較で冬用タイヤより夏用タイヤの方が約1.6倍長いという。

 同協会は「冬の安全ドライブには事前の備えが重要。非降雪地域でも冬用タイヤを装着してほしい」と訴える。

 冬用タイヤへの交換を、自分で行うドライバーも少なくない。JAF栃木支部の担当者は「タイヤの状態を確認してから交換してほしい」とし、タイヤの使用限度を示す印を確認するよう指摘する。「スタッドレスタイヤは柔らかさが重要。ゴムの劣化もチェックして」と助言している。

スタッドレスタイヤが並ぶカー用品店の売り場=11月末、宇都宮市末広2丁目

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