寒風で増すうま味 冬の風物詩、切り干し大根作り最盛期 兵庫・たつの

寒風にさらされ、陽光で白く輝くダイコン=たつの市御津町苅屋

 兵庫県たつの市御津町で冬の風物詩、切り干し大根作りが本格化している。晴れた日、寒風にさらして乾かすと、うま味が増すという伝統の保存食。年の瀬に差しかかり、栽培農家は天日干し作業に精を出している。

 大正期に造営された町内の干拓地「成山新田」は、国指定のダイコン産地。各農家が出荷する際、大きさや形が規格外となったものを細かく千切りにし、乾燥場で2~5日間干す。

 同町の農業大西一馬さん(45)は、11月から翌年3月まで作業に取り組む。最盛期は週に約40キロ前後を生産する。「地元のダイコンは糖度が高い。干すことで甘みが凝縮され、よりおいしくなる」と自信を見せる。完成品は主に、JA兵庫西に出荷するという。(辰巳直之)

© 株式会社神戸新聞社