「ガザ停戦を」神戸から訴え ベビーカーに1歳の長女乗せた女性、夫と一緒にプラカード掲げ街頭に

疋田香澄さんは子どもとともに停戦を訴えて街頭に立ち続けている=神戸市中央区三宮町1

 イスラエルが、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスへの攻撃を再開し、1万7千人を超えるガザの人々が犠牲になる中、市民らによる停戦への訴えが続いている。世界人権宣言が国連で採択された12月10日は「世界人権デー」だった。世界でも神戸でも訴えが響いた。(高田康夫)

■「一刻も早く完全な休戦を」

 神戸市東灘区の疋田香澄さん(37)は「ストップ、パレスチナへの暴力」などと書いたプラカードを手に、神戸・三宮に立ち続けた。ベビーカーに乗せた1歳の長女や夫と一緒に10月22日から「家族デモ」を続けている。

 7年前、パレスチナ出身の知人とドイツの首都ベルリンを旅行したとき、「ガザの壁はもっと高い」と聞いた。「パレスチナで起きていることを知ってほしい」とも訴えられた。ガザで多くの人が犠牲になる中、知人の話を思い出し、家族で街頭に立ち始めた。

 「SNSで見ました」などと毎回数人が駆けつけ、プラカードを持って立ってくれる。「もう亡くなった子どもたちは取り戻せないが、一刻も早く完全な休戦をしてほしい」と願う。

■関連作品を上映

 元町映画館(神戸市中央区)では、イスラエルに抑圧され、自由のないガザ地区で懸命に生きる人々を取り上げたドキュメンタリー映画「ガザ 素顔の日常」が上映されており、10日には配給会社「ユナイテッドピープル」代表の関根健次さんが舞台に立った。

 映画では2014年、18年のイスラエルによる攻撃が映されているが、関根さんは「今回は過去と比べものにならない」とし、映画に登場し、消息の分かった人々の現状を説明。映画を撮影した男性の2歳のおいっ子は避難したガザ南部で空爆に遭って亡くなっており、「ガザの人は今の瞬間にも命を落としている。私たちが声を上げなければいけない」と訴えた。

 映画は同館で15日まで午前10時半から上映している。

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