特殊詐欺の被害を未然に防いだとして、兵庫県警兵庫署は家電販売店「みくら電機」(神戸市兵庫区荒田町3)を営む井上一枝さん(65)に感謝状を贈った。固定電話の交換を申し出た女性の言動に違和感を持ち、警察署に届け出たという。
井上さんによると9月6日、近くに住む高齢女性が1人で来店。黒電話として親しまれた「自動式卓上電話機」から、ボタンを押す形式の機種に交換したいと話したという。
井上さんが「設置には数日必要」と伝えると、女性は「いったん聞いてくる」と帰宅。再び店に来て「『2、3日かかってもいい』と言われた」と告げた。
井上さんは女性が相談した相手について尋ねると、相手の連絡先が「050」から始まる番号で、詐欺の可能性を疑ったという。
同署によると、女性宅には「事件に巻き込まれている」「電気料金が未納」と予兆電話(アポ電)があった。また、問題解決するため自動音声によるガイダンスに従い、電話機のボタンを押す必要があると指示されたとみられる。
井上さんは「詐欺に限らず、困っている人がいれば今後も手助けしたい」と話した。(千葉翔大)