こども園送迎バス事故 運転手(77)の意識もうろうとした状態だったか 現場にはブレーキ痕なく 東広島市

東広島市で起きた認定こども園の送迎バスの事故で、運転手は当時、意識がもうろうとしている状態だった可能性があることが分かりました。

おととい、東広島市の市道で認定こども園の送迎バスが中央分離帯を乗り越え、およそ100メートル逆走。反対車線で4台の車と衝突し、園児5人を含むあわせて10人がけがをしました。

19日に会見したこども園の松井園長は、バスに設置されたドライブレコーダーの映像から77歳の男性運転手の様子を次のように話しました。

認定こども園「さざなみの森」 松井雄一郎 園長
「正確な判断は警察の検証を待たなければなりませんが、(運転手は)運転中に意識が朦朧としている状態だったと推察されます」

また、園内の聞き取りなどで運転手は当日、風邪気味で昼の休憩時間に病院で点滴を受けていたことが分かったということです。

松井雄一郎 園長
ー風邪気味の状況があったことが否定できない、推察されますので、体調は万全ではなかったと考えたほうが自然という情報もあるが、まだはっきりはしません。

園では今後、ドライバーの健康状態の把握も含めて、安全対策を検討する方針です。

一方、運転手が所属するタクシー会社では事故当日、運転手から体調について特に報告を受けていなかったと話しました。

新中央交通 松田泰典 総務部長
「関係各所に多大なご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。当日、本人から体調が悪いからというような話を受けておりませんのでそういった仕組み(運転手の交代など)の利用は出来ておりませんでした」

警察の調べでは、バスや、関係車両のドライブレコーダーの映像を解析したところ、バスは指定速度の時速50キロを上回るおよそ60キロで逆走したことが新たに分かりました。

現場にはバスのブレーキ痕はなかったということです。

警察は、運転手がブレーキを踏んだり、ハンドルを切ったりせずに中央分離帯を乗り越えたのではないかとみて事故の状況を調べています。

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