「家族の心にも深い傷を負うことを感じて」 被爆者と向き合い描いた絵を前に高校生語る 「原爆の絵」展開催中 広島

被爆者の証言をもとに高校生が描いた「原爆の絵」の展示会が広島市で開かれています。

「原爆の絵」は広島市立基町高校の生徒が16年前から描き続け、これまでに191点の作品が完成しています。

被爆者と何度もやりとりして描きあげるため、制作には半年から1年かかるということです。

23日、3人が解説に立ちました。

道端で亡くなっていた軍人を描いた日高乃愛さんは、「遺体の様子が想像できなかった」ということです。

木村光希さんが描いたのは、赤ちゃんを抱えて叫ぶ母親。「表情などをリアルに描くことを意識した」と言います。

谷口世那さんは、大やけどで苦しむ父親を治療する被爆者を描き、その思いに向き合ったそうです。

広島市立基町高校3年 谷口世那さん
「(原爆は)長く人を苦しめるものであり、家族も心にすごく深い傷を負うことをこの絵から感じとってほしい」

来場者からは「絵を展示する機会をもっと増やしてほしい」といった声が上がっていました。

この「高校生が描いたヒロシマ 広島の絵画展」は、広島国際会議場で、来月9日まで入場無料で開催されています。

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