大漁で明暗 ひみ寒ぶり、止め市に1174本 新湊などにシイラ

ブリの競りでにぎわう止め市=氷見市の氷見魚市場

 氷見市の氷見魚市場の止め市は30日開かれ、ブランド魚「ひみ寒ぶり」が1174本運び込まれた。今季は23日の出荷宣言以降、1日平均約2207本のハイペースで水揚げが続いており、年内最終日の場内も正月用の魚を求める仲買人らで活気づいた。

  ●累計1万5451本

 ひみ寒ぶりの累計は1万5451本となった。今季は今月上旬までは水揚げが低調で宣言が過去3番目の遅さとなったが、宣言以降は過去最速の5開市日で1万本に到達し、大漁が続いている。ただ、12月末までの累計では、不漁だった昨季の1万7967本を下回っており、氷見漁協は今季も平年と比べ不漁との見方を示している。

 30日はひみ寒ぶりのほか、フクラギやスルメイカ、カマスなども並び、次々と競り落とされた。初市は1月4日に開かれる。

  ●シイラ 需要低く「いつまで」心配

 夏から秋が旬の「シイラ」の水揚げが12月末になっても新湊漁港など県内の漁港で続いている。小ぶりの「サンペイシイラ」が中心で他の魚種と比べても需要が低く、浜値が付きにくく他の魚が寄りつかなくなる可能性も危惧される。漁師からは「いつまでこの状態が続くのか」と心配する声が聞かれる。

 シイラはハワイで「マヒマヒ」と呼ばれる南方系の白身魚で、冬はサイズの小さいサンペイシイラの割合が多くなる。県水産研究所が発表したシイラの今月中旬の水揚げ量は新湊漁港で66.6トンとなっており、昨年同期の4.3トンと比べても15倍となっている。県内でみても304.6トンと前年同期の32.8トンよりも約9倍多くなっている。

 新湊漁協によると、今月下旬になって、シイラの水揚げ量は減ってきたというが、27日も多くのサンペイシイラが水揚げされた。漁協などによると、水温が高くなっているのが要因の可能性があるとした。

 定置網漁を行う新湊の漁師によると、12月末にシイラが大量に水揚げされることは珍しく、脂身が少なく刺身などにしにくいサンペイシイラは高値になりにくいという。

 定置網漁を行う「新徳丸」の塩谷卓之船頭は「シイラは以前よりは値が付くようになってきたが、冬が旬の魚と比べたらまだまだ低い。いつまで水揚げが続くのだろうか」と語った。

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