砺波・大門の大ケヤキ伐採へ 公共の安全優先し、やむなく

伐採される方向となった大ケヤキ=砺波市大門

  ●市保存樹から解除 県道に傾き枝葉掛かる

 砺波市大門の大ケヤキの木が市保存樹から指定解除され、年度内に伐採される方向となった。隣接する県道に傾き、枝葉が道路上に大きく掛かり、周辺住民にも苦情が出ているためで、関係者が協議した結果、公共の安全を優先して判断した。ひときわ目につく地域の大樹はやむを得ず、姿を消すことになる。

 伐採されるのは、幹周り約3.6メートルのケヤキの木。高さや樹齢などは不明で、1994年3月末に市の保存樹に指定された。

 ケヤキの木は県道砺波庄川線沿いに立つが、県道側に傾き、枝葉が県道に大きくはみ出している状態で、路上に木の枝や葉が落ちて周辺住民に苦情が出ているのが実情という。

 関係者によると、昨年6月から樹木の所有者側と道路管理者の県砺波土木センターが相談し、道路の歩行者や通行車両の安全にも影響を及ぼしかねないとして、同7月に同センターが道路にはみ出している一部を剪定した。その後もセンターや、富山家裁高岡支部から選任された保佐人らが管理方法を協議を続けたが、安全性を考慮して保存樹のまま残して管理するのは難しいと判断した。

 同12月に市屋敷林等保全委員に現地で樹木を確認してもらい、樹勢も相当弱っているとして、市は保存樹の指定解除の承諾を得た。

 保佐人の弁護士は「樹木が県道に傾き、枝葉が県道に掛かっており、苦情が出ていた。大きな被害を防ぐために、公共を優先した」と話した。

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