富山県は9日、能登半島地震で多数の住宅が被災した氷見市に、被災者生活再建支援法を適用したと発表した。県内では初めて。住宅の全壊などの被害が認定された世帯に最大で計300万円が支給される。
9日午後1時時点の県のまとめでは、氷見市内では全壊16件を含め計205件の被害が確認されており、適用の基準を満たした。全壊世帯には基礎支援金の100万円のほか、住宅の再建方法などに応じて50万~200万円が加算される。
大規模半壊には最大250万円、中規模半壊には同100万円が支給される。
●県内住宅被害974件に増加
県が9日開いた災害対策本部員会議で報告された県内の被害状況は、住宅被害で半壊が前日から3件増の28件となるなど、前日比168件増の974件となった。高岡市が317件で最も多かった。
一時1万4千世帯が断水していた氷見市では、未復旧の4250世帯のうち、660世帯は飲料用には使えないが水が通るようになった。避難所は射水市内で全て閉鎖され、高岡市の3カ所と氷見市の2カ所に計82人が身を寄せている。
●世界遺産の合掌造り被害
文化財関係では、南砺市の世界遺産・合掌造り集落で、合掌家屋の屋根部分のロープの緩みや断裂などが確認された。県内の被害件数は、国指定の14件含め計34件となった。