〈1.1大震災〉輪島の中学250人避難へ 保護者、半数超が同意

避難する中学生を受け入れる準備が始まった石川県立白山ろく少年自然の家=13日午前、白山市内

  ●珠洲市、能登町も意向調査

 輪島市は13日、能登半島地震を受けて調整している全3市立中の生徒約400人の集団避難に関し、保護者への意向調査の結果、半数超の250人が避難に同意したと明らかにした。移動時期など調整を本格化させる。同様に集団避難を検討する珠洲市と能登町も意向調査などを進めた。

 輪島市によると、避難期間は最大2カ月程度を見込む。具体的な移動日程は未定で、県と協議する。県が受け入れを想定しているのは白山市の白山青年の家と白山ろく少年自然の家で、2施設では13日、生徒の食事を作る態勢確保や設備点検などが実施された。

 珠洲市は中学生が199人で、輪島市と同じ2施設での滞在を想定。15日ごろまでに保護者の意向を取りまとめる。能登町は約250人の生徒の保護者らに対し、避難方針をメールなどで周知。15日を期限として意向を集約する。

  ●「子どもだけじゃ不安」 保護者に戸惑い

 集団移転に向けては、保護者から歓迎の声が上がる一方、地元にとどまるケースも少なくない。家族や友人と離ればなれになる不安などから、輪島市では4割弱の約150人が希望しなった。大半の学校が避難所となる中、教育関係者は学習環境の確保に苦慮する。

 中学2年の長女がいる珠洲市の江高周太郎さん(46)は「復旧の先行きが見えない中、白山市へ移る選択肢はありがたい」とするが、子どもだけでの移転に不安もあるといい「本人と話し合い、どうするか考えたい」と話した。

 意向調査の返答期間が短いとの指摘も。自宅が被災し、能登町鵜川小に避難する能都中2年の女子生徒の母親は「3日間は短かすぎる。どんな学校生活を送るのかなど情報が少なく、どう判断すべきか分からない」と漏らした。

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