「新たな奥能登へ歩みを」輪島出身の永井豪さん 義援金2千万円

取材に応じる永井豪さん=24日午後、東京都新宿区

 能登半島地震で大きな被害が出た輪島市出身の漫画家永井豪さん(78)が24日、都内で取材に応じ、「被災した方の生活再建を第一にしつつ、新しいまちづくりに向けて強く歩み出してほしい」と故郷の復興を願った。作品を創造するように、新たな奥能登を作っていくことを期待し「町が新しく生まれ変わる時に、その一角に漫画やアニメの拠点として加えてもらえたら」と語った。

 北國新聞朝刊でエッセー「マンガ街道一人旅」を連載する永井さんは、創作活動を通じて復興を支えていくとし「自分が元気にやっていくこと、自分の姿勢を発信していくことが希望になると信じている」と話した。

 永井さんは「マジンガーZ」「デビルマン」などの代表作で知られる。1945年に輪島市で生まれ、小学1年生まで過ごした。朝市通りで、店先に並ぶ「いかつい顔の魚」に目を奪われた記憶は「デビルマンに登場する悪魔のデザインに影響を与えているかもしれません」と振り返った。

 朝市通りには、自身が名誉館長を務める「永井豪記念館」があったが、大規模火災で焼失。「再建したいという思いはあるが、まずは石川、富山の被災された方の生活が第一」と語った。朝市通りについて「冬は寒いので、屋内で再現したら、より交流が生まれるのではないか」と提案した。

 永井さん個人と所属プロダクションから、輪島市と石川県にそれぞれ1千万円を寄付することも発表した。

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