被災地へ力強くエール 宇都宮で作新高吹奏楽部が慈善演奏会 旧珠洲実高ユニフォームで

聴衆に演奏を披露する吹奏楽部の部員ら

 能登半島地震の被災地を支援しようと、宇都宮市の作新学院高吹奏楽部は3日、県庁のエントランスホールでチャリティーコンサートを開いた。部員約60人が、甚大な被害を受けた石川県珠洲市内の旧珠洲実業高吹奏楽部から2019年に譲り受けた赤いマーチングユニホームを身にまとい、力強く演奏し、500人を超える来場者に義援金を募った。

 昨年5月の能登半島での地震後に作られた珠洲復興応援歌「Home」など10曲を披露した。野球応援メドレーでは同校の応援団とチアリーダーも登場した。2年宮田心春(みやたこはる)吹奏楽部長(17)は「精いっぱいのエールを込めた」と復興を願った。

 被災地となった同県志賀町出身の下野市下石橋、川田芳雄(かわだよしお)さん(81)、幾美子(きみこ)さん(75)夫妻は「作新の演奏や応援を志賀の家族に伝えたい」と来場。芳雄さんは「動画撮ったからさ、兄に送るんだ」、幾美子さんは「地元を励ましたくてもここ(栃木)からじゃ何もできず困っていた。演奏がしみて、心の支えになった」と涙ながらに喜んでいた。

 10日には、同校合唱部が県総合文化センターでチャリティーコンサートを開く。

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