能登町を元気に! 滑川市民ら後方支援活動、メリカ拠点に炊き出し下準備

被災者に届ける総菜を作る滑川市民ら。多い日は1日50人が調理に参加する=中滑川複合施設「メリカ」

 能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県能登町を後方支援する動きが、富山県滑川市内で広がっている。市の防災拠点である中滑川複合施設「メリカ」では毎週、市民ら有志が集まり、同町で炊き出しを行う県内団体のため食材の下準備や総菜の調理を続ける。市内外から物資の寄付や寄付金などで協力の申し出もある。4日には飲食店事業者らが同町内の子どもや親子が元気になれるよう、屋台をイメージした炊き出しを行う。

 昨年4月に全面オープンしたメリカには、非常時に避難所や炊き出しスペースとなるホールや調理スタジオなどがある。元日は最大約500人が避難した。

 指定管理者の一般社団法人ばいにゃこ村(樋口幸男代表)は、ボランティア団体としても活動する。地震後は、能登町の要請を受けて同町での炊き出しを続ける富山市の一般社団法人ボディセンス・インスティテュート(BSI)と連携。被災地の現状などを共有し、滑川市内での活動に取り入れている。

 1月13日からは毎週1回、調理スタジオに有志が集い、炊き出し用の数千食分の食材を事前にカットしたり、高齢の避難者のためにカボチャやひじきの煮物などを作ったりしている。これまで延べ300人以上が活動に参加。食材や調味料は市民や市内企業のほか、日本中からばいにゃこ村に届く物資や寄付金を活用している。

 このほか、物資や寄付金を管理し、BSIと一緒に被災地で炊き出しを行うボランティアを調整する拠点にもなっている。樋口代表は「今、動かないと救えない命がある。現地で活動する人たちが効率的に動けるよう、被災者の声を大切に支援したい」と話す。

 これらの活動に協力しようと、市内のどんどん焼きの販売店らでつくる「滑川どんどん焼き隊」は4日、能登町内へ行き、どんどん焼きや焼きそば、綿あめ、市のキャラクター型のたい焼き「キラリン焼き」を振る舞う。

 同隊は2015年に発足したが、事業者の廃業や新型コロナの影響などで活動休止状態に。残っていた活動費を被災者支援に活用しようと、樋口代表を通してBSIに協力を申し出た。隊員の中嶋正美さん(70)は「微力だが協力し、要望があれば取り組みを続けたい」と話している。

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