裏金事件、高木毅氏らが謝罪「政治不信を招いた」 自民党福井県連の党員説明会で厳しい声相次ぐ

自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を巡り、福井県内党員向けの説明の場に臨む(手前から)稲田朋美、高木毅、山崎正昭、山谷えり子の各氏=2月4日、福井県福井市のホテルフジタ福井

 自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー裏金事件を受け、自民党福井県連は2月4日、県連所属の国会議員による県内党員向けの説明の場を福井県福井市内のホテルで開いた。出席した4氏は「政治不信を招いた」などと謝罪。同派最高顧問を務めた県連会長の山崎正昭参院議員は終了後、記者団に「すべて納得していただいたとは考えていない」と話し、信頼回復に向けて今後も説明を続ける必要があるとの考えを示した。

 山崎氏、同派事務総長を務めた高木毅前党国対委員長、同派事務総長代理を務めた稲田朋美党幹事長代理、同派顧問を務めた山谷えり子参院議員が出席。派閥からの還流がなかった滝波宏文参院議員は欠席した。会合には県連総務会メンバーの県議や市町議、首長ら約80人が出席し、非公開で行われた。

 出席者によると、4氏は還流を受けた経緯や政治資金収支報告書に不記載だった金額などを説明。党員からは「報告書になぜ記載しなかったのか」「還流再開を誰が決めたか分からないのはおかしい」など厳しい声が相次いだ。

⇒【動画】高木毅氏が福井県敦賀市で記者会見「記載漏れの認識なかった」

 政治責任を問う声がある高木氏は終了後、「一定の評価をいただけたが、襟を正してというような話もあった」と説明。「政権与党の一員として、新幹線や原発など大事な仕事をしっかり務めていく」と述べ、離党や議員辞職を改めて否定した。収支報告書の訂正時期については「作成を進めている」と述べるにとどめた。

 山崎氏は県連会長としての自身の進退は「党の調査も控えており、思案中だ」と説明。高木氏の政治責任を問う記者には「出処進退は自らが決めることだ」と話した。稲田氏は「これまで支えてくれた県内党員の期待を裏切ってはいけないという思いを改めて強くした。政治資金の透明性の確保など、党改革を進めてほしいという声にもしっかり応えていきたい」と強調。山谷氏は「深く反省し(党員の声を)重く受け止めている。これからもやれることを精いっぱいやっていきたい」と述べた。

© 株式会社福井新聞社