絵・物語・演者をこなすプラネタリウム解説員 時代考証もばっちりの新作上映へ 開館30年の天文館で特別番組 

開館30周年記念の特別番組の上映会に来館を呼びかける作者の日下さん(向日市向日町・市天文館)

 京都府にある向日市天文館(向日町)は24日、開館30周年記念事業で制作した特別番組「こぎつねチロンと星の王子さま」の完成上映会をプラネタリウムで開く。チロンと「ひげくま先生」が主人公のシリーズの12作目。地域の歴史にも触れたファンタジーで、注目を集めそうだ。

 シリーズは電子紙芝居で、絵を投射し演者が感情を込めて物語を話す。元小学校教諭でプラネタリウム解説員の日下熊三さん(66)が絵と物語を手がけ、演者も務める。

 チロンとひげくま先生がタイムスリップをして古代の長岡京にたどり着くというストーリー。最初に出会った早良(さわら)王子から食事と服をもらい、民衆らと暮らす。王子が事件に巻き込まれ、宝物の流れ星のかけらを託される。そのパワーで現代に戻れる。

 市の埋蔵文化財担当者や歴史研究会長らから時代考証の指導を受けて仕上げた力作。日下さんは「皆さんに助けられ、視野が広がり役に立った。作画に手間取ったが、これまでにない作品に仕上がった」と話す。

 紙芝居の部分は約15分。当時の暮らしぶりの説明や築地塀設置などの動画、星空の解説を入れ、上映時間は約45分。午前10時と11時15分から2回上映する。

 無料で、各回先着70人(幼児は保護者同伴)。申し込みと問い合わせは天文館075(935)3800。

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