世界的指揮者の小澤征爾さん、88歳で死去 京都でも後進指導に情熱

グラミー賞受賞の喜びを語る小澤征爾さん(2016年2月、京都市左京区・ロームシアター京都)

 6日に88歳で亡くなった小澤征爾さんは、親交のあった半導体大手ローム(京都市右京区)の創業者佐藤研一郎さん(故人)の支援を得て、京都で後進の指導に情熱を注いだ。恩師カラヤンの教えである「交響曲とオペラは車の両輪のようなもの」を京で体現した。

 オーストリア・ウィーン国立歌劇場の音楽監督だった2003年から退任後の13年までほぼ毎年、ロームミュージックファンデーション(右京区)主催の音楽セミナー講師として招かれ、指揮者志望の若者を数日間にわたって手ほどきした。

 京都コンサートホール(左京区)では、厳しいオーディションを突破した数人をひとりずつ公開で指導した。身ぶり手ぶりを積極的に交え、演奏を始める際の拍子の取り方などを熱く伝えた。びわ湖ホール(大津市)をはじめ、全国各地で公演した。

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