【早出し】柏倉家のお雛さま勢ぞろい 中山、初の試み

柏倉一族に伝わる江戸期の享保雛など貴重な雛人形が一堂に展示されている旧柏倉家住宅=中山町

 中山町の国指定重要文化財・旧柏倉家住宅を会場に、柏倉一族に伝わる江戸期から昭和期までの貴重な男雛と女雛の5組10体が、初めて一堂に展示されている。桃の節句の3日、来館者は美しい色彩や気品ある顔立ちなどを観賞し、その姿に魅了されていた。

 5組は仏間に展示され、江戸期の享保雛は紅花染めとされる衣装の色彩が鮮やか。画家で柏倉喜作家4代当主喜十郎が大正時代に手がけた内裏雛は、くっきりとした表情が印象的。来場者はガイドの説明を聞きながら特徴を比較し、じっくり観賞した。千葉市から訪れた自営業五十嵐正利さん(66)は「歴史ある家の造り、人形の質の高さに驚いた。この地域の豊かさを感じた」と話していた。

 「柏倉九左衛門家ひなまつり」のプレミニ展示として実施されており、9日と10日にも公開する。まつりは、黒塀のまちなみ保存活用協議会(井上俊美会長)が旧柏倉惣右衛門家住宅、旧柏倉喜作家(みんなの居場所・岡縁里(おかえり))、柏倉清右衛門家を含めた計4会場で16、17、20日に開催。この3日間は5組10体を4会場に分けて展示する。

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