「ギョギョシー、ギョギョシー」。この時季に渡良瀬遊水地内で聞こえるのは夏鳥オオヨシキリの鳴き声だ。ヨシの葉や木の枝先に止まり、口を大きく開けて鳴いている。体長は18センチほどで、繁殖のため東南アジアから飛来する。
5、6月の遊水地はコヨシキリやオオセッカ、カッコウなどのさえずりも聞こえ、「鳥の大合唱」のようになる。繁殖期を迎えた鳥たちが、雌へのアピールや縄張りを主張するために鳴くという。
23日、谷中村史跡保全ゾーン周辺で開かれた野鳥観察会には市内外から約30人が参加した。講師を務めた日本野鳥の会群馬の平岩章良(ひらいわあきよし)さん(67)は「留鳥でも子育てをする今の時季に鳴く鳥が多い。遊水地では8月のツバメのねぐら入りの観察もお薦め」と話している。