雌ライオンのクレイ、札幌・円山動物園から愛媛に帰郷 28日から一般公開

約7カ月ぶりにとべ動物園に帰郷し、リラックスした様子のクレイ=27日午前、砥部町上原町

 おかえり―。「雄」として引っ越した先の円山動物園(札幌市)で実は雌だったことが判明したライオンのクレイ(2)が、生まれ育った県立とべ動物園(砥部町上原町)に帰郷し、27日に報道公開された。8カ月弱の間に約10キロ体重が増え、一回り大きくなったクレイは土の感触や匂い、周囲の環境を確かめるようにパドック(運動場)を歩き回り、元気な姿を見せた。一般公開は28日から。

 クレイは22日に札幌を出発し、フェリーと陸送で24日にとべ動物園に到着。担当の三根生康幸飼育員によると、おりを開けるとさっと自分の寝室に入り、餌の食いつきも良かったという。環境に慣れるのも早く、三根生飼育員は「ここにいたことを思い出したのではないか。長距離移動で心配していたが、元気に帰ってきてくれて良かった」と安心した様子で話した。

 生後20日で雄と判定されたクレイは昨年10月、雄の展示を希望していた円山動物園に引っ越した。しかし、たてがみの成長具合や排尿の様子などから「雌ではないか」との疑義が生じ、遺伝子検査で雌と判明した。両園が話し合った結果、「雄と雌を展示したい」という円山動物園の趣旨から外れることもあり、とべ動物園へ戻ることになった。

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