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●31日から神輿渡御、獅子舞
31日から始まる日枝神社(富山市山王町)の春季例大祭「山王まつり」を前に、日枝神社は、能登半島地震で被害を受けた境内の修復をほぼ終えた。神社では、鳥居のずれや灯籠の倒壊、液状化現象などの被害があった。まつりは例年通りに行われ、境内や神社周辺の通りに約500店の露店が並ぶ予定で、関係者は震災を乗り越えた神社周辺のにぎわいに期待を込めた。
「山王さん」の愛称で親しまれる日枝神社は、富山城を居城とした加賀藩前田家2代前田利長が現在の場所に境内地を寄進し、以後、歴代富山藩主が崇敬した。山王まつりは城下挙げての祭りとして栄えた。
元日の地震で、境内の鳥居の頂部にある石「笠木(かさぎ)」とこま犬一対がずれ、倒壊の危険性があったため笠木やこま犬は一時、取り外した。境内の灯籠7基が倒壊し、境内を取り囲む玉垣は傾きやずれが生じた。拝殿の壁のひび割れや、参道の一部で液状化が起き、砂が噴き出す被害もあった。
現在、鳥居の笠木やこま犬、灯籠は4月までに元通りとなり、再び被害がでないように補強を行った。現在は、玉垣の修復と耐震補強に取り組んでいる。
まつりは、31日から6月2日までにかけて、復興の思いも込め、神輿渡御や獅子舞巡行、氏子みこし巡行、春季例祭などが営まれる。30日は宵祭りを営む。
県移動商業組合の水谷新一理事長によると、全国からコロナ前の規模で露店が出店する予定で、水谷理事長は「まつりを楽しみにしている人が大勢いるので、境内修復が間に合ってよかった」と話した。
日枝神社の平尾晃禰宜は、「訪れた人が震災を乗り越え、前向きに頑張れるようなまつりにしたい」と述べた。