防衛省の職員も納得…低空飛行するオスプレイは「暴走族みたいな騒音」 住民がスマホで撮影

屋久島沖で墜落事故が発生した8日前に奄美市名瀬知名瀬で撮影された米軍輸送機オスプレイ=2023年11月21日午前(読者提供)

 米空軍CV22オスプレイが鹿児島県の屋久島沖に墜落してから29日で半年が経過する。在日米軍や陸上自衛隊は事故の原因だとした「部品不具合」について詳細を明らかにしないまま3月末に飛行を再開し、奄美大島では目撃情報が相次いでいる。住民からは「事故原因を明らかにしないまま飛ぶのはやめて」「集落の上を低空飛行するので怖い」と不安の声が上がる。

 奄美市名瀬の知名瀬町内会(118世帯340人)の会長(66)は米軍輸送機オスプレイが集落上空を飛んだ日を数年前から記録する。3月末の飛行再開以降、4月18日(2機)と同24日(2機)、5月9日(1機)と少なくとも3回、計5機を確認。いずれも昼間で北の東シナ海側から集落上空や尾根伝いを通り、南の金作原(きんさくばる)国有林方向に抜けた。同8日夜には他の米軍機3機が飛んでいたという。

 奄美大島中西部の知名瀬集落は海に面し、三方を高さ約200メートルの山に囲まれたすり鉢状で音が響きやすい。会長は「マフラー(消音器)を改造した暴走族のような音ですぐに分かる」と話す。屋久島沖でオスプレイが墜落した昨年11月29日の8日前の21日午前、たまたま集落の浜にいたところ、海側から飛んできた機体をスマートフォンで撮影した。

 知名瀬公民館屋上で昨年3月、九州防衛局が航空機騒音の自動測定装置(高さ5メートル)を取り付ける作業中にオスプレイが飛来。同局職員も騒音の大きさに納得した様子だったという。

 屋久島沖での墜落事故以前に比べ、飛行高度が高くなったと感じる。それでも機体の腹や赤色灯がはっきり見えるといい、「150~200メートルの高さを飛んでいるのでは。せめて住宅地の上空だけは避けてほしい」と訴えた。

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