東中予8地点、24時間雨量が1カ月分超え 床下浸水、通行止め相次ぐ

大雨で増水した蒼社川=28日午前9時15分ごろ、今治市北鳥生町1丁目

 低気圧や前線の影響で県内は28日、全域で大雨となり、東中予の8地点で24時間雨量が5月の平年1カ月分の雨量を上回った。松山地方気象台は一時、県内に大雨警報(土砂災害)、中南予に洪水警報を出して警戒を呼びかけ、松山市では4859世帯、9411人に高齢者等避難を促したほか、各地で河川の水位上昇や床下浸水、通行止めが相次いだ。

 気象台によると、26日午後11時の降り始めから28日午後4時までの雨量は石鎚山成就社248.0ミリ、東温市上林187.0ミリ、四国中央市富郷175.0ミリなど。28日午後3時までの24時間雨量は今治市玉川で155.0ミリ、松山で156.0ミリに達した。

 砥部町によると、同町川井で住宅2棟に裏山から水が流れ込んだ。片方の住宅の住民男性によると、午前9時40分ごろ、裏山の水路からあふれた土砂混じりの水が敷地内に流れ込み、一時は深さ約10センチに達した。今治市では同市黄金町1丁目付近で金星川があふれ、付近一帯が冠水。1棟が床下浸水した。

 風雨の影響による停電もあり、四国電力送配電によると松山市と砥部町の一部の地域で最大約2600戸が3時間程度停電した。

 県のまとめでは国道や県道計7カ所で通行規制が発生。今治市によると、倒木で吉海町南浦と菊間町松尾の県道がそれぞれ一時全面通行止めになった。宇和島市吉田町立間の国道56号では小規模な落石があり、一時片側通行となったが、28日午前8時ごろまでに解除された。

 公共交通機関にも影響が出た。JR四国は伊予上灘駅や宇和島駅などで雨量計が規制値に達したため、予讃線と予土線の特急を含む一部の列車を運休。南予の路線バスは通行止めのため、三瓶で一時折り返し運転となった。

 今治市と宇和島市では小中学校計25校が臨時休校した。

 気象台によると、29日は高気圧におおわれ、県内全域で晴れる見込み。

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