Z世代の約7割がネットと現実で「別の人格」を自覚、孤独感の原因に。レノボがデジタルウェルネスを推進へ

左から、モデルのちなつさん、タレントの井上咲楽さん、レノボ・ジャパン合同会社 CMO 竹内佐保子氏、NPO法人あなたのいばしょ 理事長 大空幸星氏

レノボ・ジャパンは、デジタルウェルネスをテーマに掲げたキャンペーン「Meet Your Digital Self」を本日より実施する。キャンペーンではSNSやYouTubeを通して、Z世代の孤独や不安問題に対して支援。またNPO法人あなたのいばしょと連携し、チャット相談窓口を通じて、孤独解消に向けた支援も提供する。

都内で行われた発表会では、タレントの井上咲楽さんがデジタルウェルネスアンバサダーとして就任。「デジタルに関わる事が多いですし、普段から利用していますし、生活で仕事でも切っても切り離せない関係で、それは本当に今を生きるみんなに共通することだと思う」「デジタルとの付き合い方というところを、伝えていけるような存在になれたらと思っている」と意気込みを述べた。

「Meet Your Digital Self」

今回のキャンペーンは、レノボが2021年に始めたWork For Humankindプロジェクトの一環として行われるもの。このプロジェクトでは、よりスマートなテクノロジーを活用し、大きな社会問題をどう解決するかについて焦点を当てた取り組みを行っているとしている。またキャンペーンは日本のほか、アメリカとイギリスでも同時に行われている。

また実施に至った経緯として、テクノロジーは様々なかたちで人々を豊かにしている一方で、SNSによって「膨大な情報に翻弄されて、ウェルビーイングに悪影響を及ぼすことがある」と同社CMOの竹内佐保子氏は語る。実際、同社が10〜70代の5000人に調査した結果では、「オンラインとオフラインで自分の人格が違うと感じますか?」という質問に、Z世代(18〜26代)の67%がいつも感じると応えたとのこと。他の世代では40%にとどまっているという。

Z世代の7割近くが、別の人格があると感じると回答

他の調査データについても、「オンラインとオフライン(現実社会)どちらが自己表現しやすいですか?」という質問に、Z世代の49%がオンラインのほうが自己表現しやすい(他の世代は31%)と回答。「オフライン(現実社会)で家族や大切な人と心のつながりを深める対話ができたら良いと思う」という問いに、強く思う/そう思うと応えたのも、Z世代が60%(他の世代は46%)に及ぶとしている。

自己表現についても、Z世代の半数がオンラインのほうがしやすいと回答

竹内氏はこの結果について、物心がついた頃からデジタル環境がある世代は、オンラインとオフラインで別々のパーソナリティを持っていることが、オフラインの対話の足かせになっていると分析。そして、「それによって孤独感や不安感につながっているケースも多々ある」とした。このような社会的な背景を踏まえたのが、今回のキャンペーンの実施とのことだ。

キャンペーンの具体的な内容は2つ。1つは新たに作成した動画をSNSに展開すること。この動画では、モデルのちなつさんがかかえる「SNSやオンラインのほうが自分らしくいられる」といった悩みに対して、レノボのテクノロジーを活用。「オンライン上の自覚を、家族や友人といった近しい存在に見せられない」というちなつさんに対して、オンライン上の人格を用いてAIアバターを作り、現実では伝えられなかった気持ちを母親に打ち明けるという内容となっている。

2つめは、NPO法人あなたのいばしょと連携して、無料かつ匿名で利用できる24時間365日のチャット相談窓口を支援する。同NPO法人で理事長を務める大空幸星氏は、今回のキャンペーンの意義として「24時間365日いつでも繋がれる場所があることを、まずSNSのユーザーに知ってもらうことが重要」だと話す。、「デジタル空間をアップデートするマイナスの動きとプラスの動き、私達はこのプラスの動きの方を担いたい。それをこのデジタル空間で広げていくという活動をぜひ、レノボさんとも一緒に取り組んでいきたい」と意気込んだ。

なお、レノボが考えるデジタルウェルネスは「デジタル環境のメリットとデメリットを認識し、自分に合った方法でデジタルテクノロジーを使いこなすこと」だと説明している。同社の竹内氏は、今回のキャンペーンによって「デジタルウェルネス、デジタルウェルビーイングに貢献する、有意義な会話を巻き起こすきっかけになることを願っている」とコメント。孤独や不安を感じている方は、このキャンペーンをきっかけに、上記の相談窓口などを試されたい。

レノボが考えるデジタルウェルネス

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