半導体産業、24年の業界速報発表

法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社は「中国半導体事業 2024年業界速報」を発表した。2023年に発売されたファーウェイのスマートフォン「Mate 60 Pro」には、中国企業の中芯国際集成電路製造(SMIC)の開発した業界最先端のプロセッサーが搭載され、その技術力の高さが世界の注目を集めた。昨今、半導体事業で存在感を高めている中国に対して、アメリカ政府は、最先端半導体の軍事利用の危険性を恐れて2022年から半導体の輸出規制を行い、米中対立が高まっている。

今回は、技術的・政治的観点から動向が注目されている中国国内の半導体事業について現況を調査した。中国政府は、2015年7月発表の「中国製造2025」において、半導体の自給率を2020年に49%、2030年に75%に引き上げる計画を策定した。計画達成に向けた半導体開発支援の強化策として、2014年秋に「国家集積回路産業投資基金」を設立し、のべ3500億元以上の投資が行われている。2021年から2022年にかけ、半導体製造装置に関しては自給率35%に達している一方で、集積回路自給率は16.7%にとどまっている。集積回路自給率の未達要因として、需要の増加速度に対して、国内供給企業の成長速度が追い付いていないことが挙げられる。

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