ビビッドな絵、大谷石・洋菓子とコラボ 宇都宮在住の古河原さん 画家10周年で地元初個展

大谷石の壁面に並ぶ古河原さんの作品

 【宇都宮】市在住の画家古河原泉(こがはらいずみ)さん(45)のデビュー10周年を記念した個展「10th記念展」が29日、吉野1丁目のフランス菓子店パティスリーチヒロで始まった。ビビッドな色彩で女性を描いた独創的な油彩、水彩画の数々と、大谷石蔵の風合いある空間とのマッチングや同店の洋菓子とのコラボレーションなど、こだわりを盛り込んだ地元での初個展となっている。油彩を手で触れられるコーナーもあり、古河原さんは「地元でこういった展示ができてうれしい。会場を五感で楽しんでもらいたい」と来場を呼びかけている。6月2日まで。

 古河原さんは市出身で宇都宮大教育学部美術科卒。2013年から全国で個展を開いている。物心ついた時から絵が好きで「描くことはライフワーク」と語る。作品は、女性の外見よりも内面的な感情や在り方を瞬間的に感じ取り、色で表現している。モデルによって存在感や抱く内面が違うため、作品に表出する色合いが変化するという。

 今回は初の地元開催のため、旧友で同店オーナーの相馬千尋(そうまちひろ)さんの協力の下、従来とは違った展示を企画。石蔵を改装した会場には24点が並び、大谷石の組み合わせを楽しんでもらおうと、一部の絵画は壁面にちりばめるように設置。相馬さんとの共演として、作品の図柄をあしらった缶に6種類のクッキーが入った詰め合わせの販売を決めた。

 また10周年の節目に、現在の画風の原点となった学生時代の油彩「つちくれ」を特別に出展。手で触れることができ、表面の質感を味わいながら鑑賞できる。入場無料。午前10時~午後7時。(問)同店028.633.5949。

古河原泉さん

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